脳卒中 何が出るかな?

 7月24日、いよいよ最初の病院を退院です。
 その朝、私の担当医が部屋まで来られました。これはどうです?これは出来ますか?と幾つかの動作を試しました。終始クールな対応のドクターでした。私の家内にもずっと「どうなるかわかりません」と言っていた方です。そのドクターが「大丈夫ですよ。戻りますよ。リハビリ次第で絶対大丈夫です。」と別れ際に仰りました。脳卒中関係で回復が見込めるかどうかの判断はどんなベテラン医師でもできないのだそうです。何故そんなことを言ってくれたのかその時は分かりませんでした。


 介護タクシーなるものに初めて乗りました。車椅子を押され、リフトで上げられそのまま固定。車椅子の座り心地は良いとは思えないので少々不安でしたが、首都高も下道もそこそこ流れてくれたおかげで道中ストレスなく、自宅近くの医療センターから新宿歌舞伎町にある病院に転院です。1週間ぶりの外の空気は蒸し暑く、少しの間でも空調頼りの生活で随分と体力が衰えた気がしました。


 外来で主治医から説明を受け、MRIに入りました。私は閉所恐怖症ではなく、MRIの中でも問題はないのですが、ガントリーに身体が入るとなぜか顔の辺りがかゆくなります。手も足も出ないのに。
 
  私のMRIの画像は、ブランドの「Hurley」のロゴみたいな部分(脳室というらしいです)の横部分にきれいに丸く白く光っております。主治医曰く「実にスタンダードな脳梗塞」とのことでした。場所によって障害が違うのかどうかを質問しました。      すると主治医は
「う~ん、これはですねぇ、軽い重いや、障害の部分とかそういうのはもう”日頃の行い”としか言いようがないんですよねぇ。」と仰いました。
そうか、脳卒中でどうなるのかって本当にふわっとしてるんだな。障害のうち何が出るかは神のみぞ知るってことです。


 それから主治医から言われたのは「早く回復期病院に移ってください。」という言葉でした。せっせとリハビリをするしかないそうです。私が転院したこの病院も2次救急で、こちらの場合は2か月までは入院できるそうですが、難点は土日にリハビリがない事だそうです。転院初日からさらに転院を促されるとは想像しておりませんでしたが、ソーシャルワーカーの人からリストを頂き病院調べです。


 病室は15階で眺めはそこそこ・・と言いたいところですが雑居ビルだらけで夜景をお楽しみという感じでもありません。遠くの方にスカイツリーがぼんやり見える程度です。そして病院の足もとには夜の歓楽街、大遊技場歌舞伎町があります。何より最初の病院もこの病院も前職でさんざん営業に来ていた病院です。あらゆる意味ですごく変な感じです。


 夕方に、明日からお世話になるPT、OT、STが病室に来て挨拶をしました。
個室だったので消灯の縛りがやや穏やかでしたので、気付いたら眠り、気付いたら目覚めるという感じです。夜中に目覚めてはよくわからないBSの番組を見るのが日課となりました。