リハビリ病院の日常

 いよいよ回復期リハビリの開始です。この病院は年中無休でリハビリを行ってくれます。運動、作業、言語と暫くの間は1日に各3単位合計3時間のリハビリがあります。言語については高次脳機能障害の可能性がなければ終了となります。


 私を担当してくれたPTさんは、私が拾う(感じ取る)感覚から動きを取り戻すという手技をメインとしておりました。これは転院前に急性期のリハビリでやってもらっていた手技でしたので、私にとっては上手く繋がった感がありました。
 
 OTさんの方も、実にわかりやすい目標で介入してくれました。脳卒中で麻痺になると手の恰好が独特になる。要するに手が巻いてしまう格好というのでしょうか、萎縮した格好ですね。その見た目が気に入らないので、そうならないようにしていきます。とのことでした。


 STさんは色々と課題を出してくれるのですが、前施設からのサマリーで高次脳機能障害の可能性がほとんどないと書いてある私なので、どちらかと言うと雑談の時間だったような気がします。


 作業の時間、退院まで私を苦しめたのは右手右腕の強いしびれでした。この文章を打っている今もしびれが酷く何度もミスります。ミスったままupもしています。入院当初は気付かなかったしびれです。徐々に感覚が戻りっつある中しびれに気付きました。集中治療室に居た時、回診のドクターに腕を触られて「これはどんな感じですか?」と触られて触れる感覚は左右差を感じなかったのですが、右には何かフィルターが掛かっているというか、ワンクッションおいて感じる感覚がありました。どうもそれがしびれだったみたいです。


 今でもそうですが、タオルに触っても私にはザラザラのヤスリみたいに感じます。本当に邪魔くさい。このしびれを何かに利用できないものかと思うのですが、何の利用法もありません。手を肩に置くだけで凝りがほぐれるとか全然ありません。


 この時の私の右手、指はまだ分離運動が出来ていない状況です。自主練習に何か良いものはないだろうか。


 それからお手玉を投げてみました。手首のスナップがききません。バトンのような物で太鼓代わりにバランスボールを叩いてみましたが、リズムをうまく刻めませんでした。


 スナップは大事だなぁと考えた結果、上の娘にLINEを送り「トイザらスでヨーヨーを買ってきてくれ」と頼みました。ヨーヨーなんて何十年ぶりでしょう。効果がありそうなことは何でもやってみようと思いました。しかし我ながら「遊びながらできる」という甘っちょろい考えでリハビリをしようというのが生意気です。


 そしてまた退屈な夜がやってきます。この頃はベッドで寝る以外の1日のほとんどを車いすの上で過ごしていました。移乗するのもまだ不安定だったため車いすのままの方が良かったのです。手足右側が使えないので、基本は左足で床を蹴って進んでしました。食事も車いすとテーブルです。入院して2週間にもなりますと、「減塩」の指示が出ている制限食の薄味にもだいぶ慣れてきました。